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翌々年は、建物の減価償却効果で、建物部分の税金は3になるとします。
そうすると、3年間の税金は、土地部分が3で建物部分が肥です。
建物部分の税金が非常に大きいことがわかります。
すでに住む家を持っている人は、節税するために土地を更地にしておくと、3年間の税金はトータル3で済みます。
もし仮に、土地に対する税金が7で、建物が3だったらどうなるでしょうか。
建物は減価償却で毎年税金が3,2,1と減っていきますが、土地は減価償却できませんので、税金はトータルで”になります。
一方、更地にしておいた場合は、皿です。
日本の土地税制は、建物への課税が重いので、どうしても税金があまりかからない地面を持っていたいという人が多くなります。
これが土地神話の本質です。
具体的には、一戸建ての新築住宅は最初の数年間は年率1割ぐらいの割合で価値が減り、概ね数年間で半額近くになります。
トータルで加年を過ぎると、建物としての資産価値はゼロになってしまいます。
銀行もこの基準で担保をとります。
税制や不動産鑑定もこうした大原則をとっています。
これまで土地神話に支えられ、地面は値上りこそすれ、建物のように残存価値が磨耗することがありませんでした。
住宅ローンは加年どころか加年、弱年と長いものもあります。
そうすると、意地の悪い言い方をするなら、ローンを払い終える最後の5年、岨年、賜年は、価値のいうものにお金を払い続けることになります。
こうした「別年パラダイム」は、ほかの面でも住宅業界に深く根ざしています。
例えば、風呂やトイレ、台所といった機能性の高い部分の寿命は、およそ加年程度と見越して設計されています。
水周りの配管などは痛みが激しいので、大体加年で壊れます。
住宅設備業界は、膨大な業者数と膨大な新製品を抱えていますので、一定の期間で設備の更新がないともちません。
水周りも含めて、200年ももつ住宅ができては、業界が破綻してしまうのです。
もちろん、そうした分野は対応年数を200年ももたせることは無理でしょうから、外形、つまり家の骨格だけを200年もたせるといった考えが200年住宅構想を支えているのでしょう。
もちろん、間取りを変えられるというのも200年住宅の売り文句だと認めても、問題はさらにあります。
ひとつは、家は足が生えているわけではないため、ジッとしていなければならないということです。
200年のうちには、その土地の価値は大きく変わります。
家の立地条件は、2世紀のうちには激変しそうなので、200年住宅がやがて時代に取り残されるのは明らかです。
しかも、子供が減り、家族の人数が減るなか、200年も住宅をどうやって維持するのでしょうか。
家族で受け継ぎ、時代の波をもろともしない勇ましい家系ならともかく、時代が変わってしまい、売るに売れない、貸すに貸せない状況も考えられます。
頑丈なばかりに取り壊すのにも費用がかかるケースも考えられます。
家の構造やスタイルが流行遅れになることもありえます。
もちろん、外国には200年、300年ともっている住宅がたくさんあります。
日本では、土地税制のゆがみを正し、土地部分の税金を重くして、建物部分の税金を軽くする、耐久性のある建物に対する税制を優遇するといった措置が必要になるかもしれません。
また、日本人が抱く新築至上主義も200年住宅に立ちはだかる壁になるでしょう。
持ち家にとっての地震リスクをどう考えるか米国では、中古住宅の流通量が新築市場よりずっと大きいのですが、日本では中古市場は新築市場と比べてずっと小さいのが現状です。
日本では家も、建てた人がずっと住みきる発想なので、途中でイヤになれば、まだ住めるのに壊して更地にしてしまうのです。
中古住宅が売れないのは、市場が育っていないためです。
これまで書いてきたように、税制や減価償却の問題ともつながっています。
200年住宅構想は、そうした様々な矛盾のなかで生まれました。
寄って立つ根拠がもろいだけに、住宅着工が急減するなか、政府と業界による新たな景気対策のひとつという冷めた見方もできます。
庶民の人生最大の投資は住宅取得ですが、住宅ローンの返済には通常加年前後を要します。
つまり、ローンを支払い終え、銀行に担保に取られていた時期が過ぎてから、本当の意味で「マイホーム」となるのです。
かなり長い先のことです。
その間に大地震が起きて、持ち家が被害に遭う確率は少なくありません。
ただ、地震のリスクは「皆に平等に降りかかる確率の低い事柄」と考えられがちなため、自分のこととして考えられるケースが少ないのです。
財政破綻とインフレに並んで、われわれ庶民が考えておかなければならないリスクは何といっても大地震勃発リスクです。
なかでも一極集中が進み、歴史的にみて、周期的に巨大地震に襲われている東京に大型地震が起これば、今動いている経済・社会システムは、非常に大きなダメージを受けます。
首都圏の地表の下には太平洋プレートが沈み込んでおり、震度4?6クラスの地震が定期的に起こることが知られています。
また、マグニチュード8クラスの巨大地震も200年程度の間隔で起きています。
元禄地震(1703年)や関東大震災(1923年)がそれです。
次の巨大地震はいつやって来るのでしょうか。
関東大震災クラスでなくても、安政江戸地震(1855年)や明治東京地震(1894年)などが起きています。
地震調査委員会の予測によると、首都圏一帯では、%の確率でマグニチュード7クラスの地震が加年以内に起こるとされています。
地震の予測は、現状では困難なので、建物の崩壊など首都機能がどれだけダメージを受けるかもはっきりとはわかっていません。
ただ、マグニチュード7クラスの地震が起きれば、死者は1万1000人に達し、最悪の場合は600万人の帰宅が困難になり、460万人が避難所生活を余儀なくきれると予測されています。
経済的損失は、100兆円以上に達する可能性もあります。
庶民の資産が住宅と預貯金だとすれば、地震に備えてどうすればいいのでしょうか。
お金については分散することが望ましく、預金と株式投資に分けておいたほうがよいかもしれません。
首都大地震がもしインフレや財政崩壊の引き金になれば、預金が一時的に引き出せなくなることも考えられます。
大地震が東京で起これば、生命保険、損害保険など金融商品の契約は、「想定外」の事態に見舞われ、契約も変更が余儀なくされるかもしれません。
物資の生産や流通に支障が生じて物価が上昇し、これが悪性インフレの着火点になる可能性もあります。
「ローンの支払いが終わる加年以内に大地震が起こる確率は約7割。
最大100兆円の被害のうちには、我が家の損失も含まれそうなので、持ち家は売却して賃貸にすることにしました」と胸を張る人にはまずお目にかかれませんが、地震に強いのは実は賃貸住宅です。
固定資産税などが持ち家に優位になっていますが、不動産取得に関わる税金や諸経費、様々な税金、維持費、管理費などは思わぬほど高くつき、保守的に見積もると、持ち家優遇政策も大した額ではないことがわかります。
コストを比較すると、十中八九、持ち家は不利な投資です。
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